大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和60(あ)492 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人大槻龍馬の上告趣意のうち、憲法三八条一項違反をいう点は、国税犯則取

締法に供述拒否権告知の規定がなく、収税官吏が犯則嫌疑者に対し同法一条の規定

に基づく質問をするに当たり、あらかじめ右の告知をしなかつたからといつて、そ

の質問調査手続が憲法三八条一項に違反することになるものではなく、また、その

質問に基づく犯則嫌疑者の供述が直ちに任意性を欠き証拠能力を失うに至るもので

はないことは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第一〇一号同二三年七月一四日

大法廷判決・刑集二巻八号八四六頁、昭和二三年(れ)第一〇一〇号同二四年二月

九日大法廷判決・刑集三巻二号一四六頁)の趣旨に徴して明らかであるから、所論

は理由がなく(最高裁昭和五七年(あ)第六六六号同五八年三月三一日第一小法廷

判決・裁判集刑事二三〇号六九七頁、同昭和五八年(あ)第一八〇号同五九年三月

二七日第三小法廷判決・刑集三八巻五号二〇三七頁参照)、憲法二九条、三一条違

反をいう点の実質は、事実誤認、単なる法令違反の主張であり、公訴時効に関して

裁判所名及び言渡し年月日のみを指摘して判例違反をいう点は、判例の具体的な摘

示があるとはいえないから、不適法であり、その余の点は、すべて事実誤認、単な

る法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当たらない。

よつて、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決す

る。

昭和六三年四月二八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 角 田 禮 次 郎

裁判官 大 内 恒 夫

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裁判官 佐 藤 哲 郎

裁判官 四 ツ 谷 巖

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